小田原漆器:石川漆器のものづくりについて

石川漆器

相模国 小田原漆器 石川漆器 [漆]

小田原漆器 石川漆器 とは??

箱根・丹沢・奥多摩へと連なる山々。その豊富な森林資源を生かし、木地師らが分け入ってお椀などの生地を挽き、漆を施した上で生活の道具として使用されてきました。その起源は室町時代中期までさかのぼると言われております。

戦国時代に北条氏康が塗師を小田原城下に招いたことで色漆の技法が伝わり塗師が定住。江戸時代には小田原の名産品の一つとして出荷されるようになりました。

石川漆器はそこでお椀やお盆、お箸やお皿といった漆器を作っています。「漆器」というと、高価で扱いが難しく、敷居が高いイメージがあります。しかし、実際に石川さんの器を使ってみたら、いとも簡単にそれがひっくり返ってしまいました。

手に持っても指紋が気になりませんし、食器洗いの時も水をかけるだけでだいたいの汚れは落ちてしまいます。そして、すぐ乾きます。お値段も、何十年も使えると思えば、決して手が届かない域ではありません。

見た目は、とてもシンプル。加飾は無いけれども、どこか気品を感じさせます。けれども裏返すと、肉厚でぼってりした高台からは頑丈で武骨な雰囲気がチラホラ。ひょっとすると、石川さんの先祖が槍塗師(武具に漆を施す職人)だったからかな。なんて、想像が膨らみます。

考えてみたら、気兼ねなくガンガン使えて、衛生的かつ、頑丈で長持ちするから我々の先祖は縄文時代から漆器を使いつづけてきたのでしょう。

japanは英語で漆・漆器という意味。japanningは漆を塗るという動詞だそうです。ぜひ一度、本物の漆器のお椀でお味噌汁を召し上がってみてください。きっと、DNAまでビビッとくること間違いなしです!

神奈川県厚木市

ONLY ONE ポイント

「 微妙に大きさが違う理由 」
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同じサイズのお椀を並べてみても、微妙に大きさが異なることがあります。それは、職人さんがあえて変えているから。

天然の木ですから、木目にそれぞれ個性がありますし、節目や割れがあったりもします。どう成形すれば、木目が最も映えるか?強度を持たせることができるのか?職人さんが木地を見て、ひとつひとつ”プロデュース”しているので、微妙に大きさが違うのです。

「 あれ?木目が・・・!? 」
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石川さんのお椀を重ねると、木目がぴったりと合うことがあります。同じ木から木取りしたお椀同士だからなのですが、実はそれが珍しいことなのです。漆器業界は分業制が広くとられており、木地を挽く場所と漆を塗る場所とが異なるのが普通。だから、重ねても木目が一致することはまれです。

それに対し石川漆器では、一括して木地を仕入れ、挽きから塗りまで自社で一貫して行います。その為、木目が合うことがあるのです。同じ木からできた、重ねると木目がぴったり合うお椀を、双子ちゃんの誕生祝として名入れしてプレゼント。なんて粋なことも石川漆器ならば可能です。

「 手しごとのあと 」
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ふとした時、光のいたずらで刷毛の運び目が浮かび上がることがあります。自然素材、そして職人さんの手しごとの温もりを感じられる、至福の時間です。

「 育つ漆器 」
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左が新品、右が20年使い込んだものです。大きさは違いますが、塗りの技法は同じです。使い込むと”漆が木地に馴染んで”落ち着いた色調、そしてツヤツヤの質感に育ちます。

あまり変わらないのでは!?と思われた方、それもまた正解です。石川さんの漆器は堅牢なので、20年なんてまだ序の口。まだまだ”これから”なのです。

「 メンテナンスします。たとえ世代を超えても 」
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石川漆器で漆トークをしていると、かなりの確率で塗り直しのお客様がお見えになります。これは、そのお客様の”布きせ”が施されたお椀です。

布きせとは、飲み口である縁・お箸があたる内面・接地面である高台等に布を張り漆を施した、より漆器を長持ちさせる伝統技法です。このお椀は、そのお客様の祖母が使っていたもので、なんと50~70年物だそうです。

さすがに布部分が露出してきていますが、木地はまだまだ大丈夫。漆層と布を一度はがしたうえで、元のように布と漆を施せば、お化粧直し(塗り直し)は完了!きっとまた数十年活躍してくれることでしょう。

ちなみに、こちらは恐らく先代が塗った器だそうです。売りっぱなしにせず、世代を超えても責任をもってメンテナンスする石川漆器。そして、それが普通のこと。という小田原の、産地としての感覚をとても羨ましく思いました。

「 少しでも値段を抑えるために 」
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奈良時代や平安時代、生漆は税として納められていました。そのことからも、いかに漆が貴重で高価なものだったかを伺い知ることができます。現代でもそこの事情は同じ。出来ればすべて国産の漆を使いたいのですが、そうすると手が出ないほど高価になってしまいます。

そこで、石川漆器では中国産の漆を日本国内で再精製したものを主として使用しています。また上段で述べた通り、木を一括で仕入れ、刳りや挽きの職人さんを社員として雇用し、成形~塗りまで自社で行うことで、コストを可能な限り下げています。

先祖代々育んできた製材業者との信頼関係と、コストダウンの努力があってはじめて、国産の栃や欅の木地に、ふんだんに漆を施した”ちゃんとした漆器”を、私たちは手が届くお値段で購入することができるのです。

工房のようす

作者より一言


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小田原漆器の特徴は、日本産のケヤキ・トチなどが持つ自然の木目の美しさを充分生かした摺漆塗や木地呂塗などです。お手に取っていただけたらきっと、素材のチカラ・技のチカラを実感して頂けることと存じます。

そして、塗り直しにお出し頂くことでより深い味わいへと進化していきます。自分と一緒に器も良き歳を重ねるのです。

日本の文化の心と技の結集をお届けいたします。

商品イメージ

詳細データ

[ 小田原漆器について ]
http://ja.wikipedia.org/wiki/小田原漆器

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